【カウンセラーコラム】様々な感情とその役割

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星 美和子(ほし みわこ)

臨床心理士・公認心理師
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3月に入り、少しずつあたたかさが感じられるようになりました。春のあたたかさに誘われるように、暗い土の中から植物が小さな芽を出すのを見ると、どんな苦境の中にも、どんな小さな生き物にも、強さやエネルギーがそなわっていると感じます。今日は、私たちに強さやエネルギーを与えてくれるものの一つとして、「感情」について考えてみたいと思います。

感情というと、みなさんどんなことをイメージするでしょうか。感謝や喜び、愛情など、ポジティブな感情は気持ちよく受け入れられる一方で、不安や緊張、悲しみなどはあまり感じたくないことも多いように思います。また、“感情的な人”というと、“怒りっぽい”、“落ち込みやすい”など、少しネガティブなイメージを抱くかたもいるかもしれません。しかし、ポジティブな感情はもちろん、ネガティブな感情も、私たちにとって大切な役割を持ってくれています。
エモーション・フォーカスト・セラピーの感情理論では、感情の役割について次のように書かれています。

“恐れが引き起こす逃走は安全をもたらし、嫌悪感は有害な侵入者を追い出し、悲しみは失った他者を思い起こさせる。新奇さ、快適さ、屈辱などを知らせる、環境内の手がかりとなる”(レスリー・S・グリーンバーグ,2013)

このように考えると、感情は私たちに、よりよく生きるためのヒントをくれているように思います。
例えば怒りは、強すぎると人間関係のトラブルにつながりやすくなりますね。一方で、自分の気持ちをしっかりと相手に伝えるエネルギーにもなってくれます。
悲しみは、強すぎると心が沈み込み何をする気力も湧かないことがあります。一方で、大切な人との別れをしっかりと感じ、回復する時間をくれることもあるでしょう。
不安や緊張、恐怖が強いと、その場にいられなくなるほど嫌な感じに支配されてしまうこともありますよね。でもそれは、“その場にいない方がいい”、“逃げたほうがいい”と教えてくれているのかもしれません。
どのような感情にも意味や役割があるとすれば、私たちを困らせているどんな感情も、大切に労わってあげたり、感謝してあげたい気持ちになります。そして、暗い土の中から芽を出す植物のように、感情から小さなエネルギーが生まれ、みなさまにいい変化を起こしてくれることを願います。

引用・参考:レスリー・S・グリーンバーグ(著)・岩壁茂ら(監訳),エモーション・フォーカスト・セラピー入門(2013),金剛出版

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