【カウンセラーコラム】ことばの力を伸ばすには?

7月になり、日ごとに暑さが増してきました。子どもたちにとって楽しみな夏休みまであと少しとなりました。
お子さんの好きなものに取り組んだり、好きな場所へ行ったり、親子で時間を共有する貴重な機会になるとよいですね。きっとキラキラとしたお子さんのまぶしい笑顔が見られるのではないでしょうか。

私は心理の仕事を始めてから、就学前のお子さんをお持ちの親御さんにお会いする機会が増えました。
母子保健領域では、乳幼児健診の当日や事後に相談をお受けすることがありましたが、ことばについてのご心配をされている方が多かったように思います。
「同じ年齢の子たちはお話をたくさんしているのに、うちの子はまだしゃべらない」「親は子が何を言っているのか理解できるが、ほかの人には通じない」などの相談がありました。

ことばの力を伸ばすには、子が大人の顔や表情をみているかという点がとても大事になってきます。
自分(子)と物だけの関係性から、自分、他者、物と、三項関係が理解できるようになると、人と人が同じ物に注意を向ける行動があらわれます。
「ママ、あれみて」と指さししたり、大人の視線を追って物を見て、その後大人の顔を見るなど、共同注意ができるようになります。
共同注意は、他者の行動の意図を理解し、語彙を増やし、コミュニケーション能力を向上させる大切なポイントと言えます。

「発達が気になる赤ちゃんにやってあげたいこと」という本には、三項関係へつなげる方法として、おもちゃの視線の先に大人の顔があるようにと紹介されています。楽しそうに一緒に遊んでくれている人の存在に気が付き、人に対し興味を持つようになります。
また、一人遊びを放置せず、園では「ダンゴムシ探しているんだね」と、子の行動を捉えて声掛けし、ほかの子が少しずつ寄ってきて、好きなものを介してかかわりができるようになる等、集団生活での工夫も紹介されています。
3歳で7割の脳が完成し、5歳で9割完成すると言われています。そのため、困難に気づいた時点から早目に対応し、大人の脳に成長していく時期に支援を行うことは、その後の環境への適応に大きな効果が期待できます。

ことばを伸ばす方法として、子育て相談ではトイトークについてお伝えするようにしていました。子どもが興味を持っているものについて声掛けする方法です。
その際、意識的に「どうしているのか」「何をしたいのか」「どうなったのか」など、動きや変化についての内容を取り入れることがポイントです。「ぞうさんが歩いてるね」「ご飯食べてるね」などです。名詞+動態動詞の多様な組み合わせを増やすことで、子の自発的な文構築の発達の促しにつながります

子育て中の親御さんは大人と会話する機会がどうしても減ってしまうため、悩みを抱えたまま育児に奮闘されていらっしゃる方も多いかもしれません。
保健センターの保健師、最近は子育て広場に保育士が常駐している場所も増え、気軽に相談しやすくなりました。子育て相談は、具体的な手立てや先の見通しがわかる安心感と共に、親としての自分を不要に責めず、笑顔でお子さんと向き合える力になると考えます。

参考文献:「発達が気になる赤ちゃんにやってあげたいこと 気づいて・育てる超早期療育プログラム」(2017) 黒澤礼子 講談社
遠藤俊介, 田中裕美子.(2022).日本語版トイトーク(Toy Talk)による保護者指導の効果:保護者の言葉かけの変化と子どもの文の発達に関する予備的研究. コミュニケーション障害学.39,131-142. 

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のえるカウンセリングオフィス
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